料理のたのしみ
カレーを作るのが好きだ。
もっと言うと、玉ねぎを炒める工程が好きだ。規定量より若干多めに薄くスライスした玉ねぎを焦げないように炒める瞬間がピーク。もちろん食べるもの好きだけど、炒める瞬間には及ばない。
久しぶりに自炊をする機会があった。
少し前まで週末どっさり食材を買いこみ、作り置きをストックして平日それを消費する生活をしていたが、いつの間にかやめてしまった。確か去年の夏頃からだと思う。
代わりに出前を頼む頻度が上がり、その楽さに気づいてからはめっきり自炊をする気が失せてしまった。
それでも時々「あれが食べたい」と唐突に思うことがあって、気まぐれにキッチンに立つことはあったが、この夏は特に仕事が忙しくそんな気力もわかなかった。
9月に入ってようやく仕事も夏の暑さもひと段落して、やっとキッチンに立てるようになった(と言っても毎日ではないが)。
フライパンで塩鮭を焼き、筑前煮を作った。
キッチンペーパーで油を吸い取りながら、鮭は皮がカリカリになるまでしっかり焼き色をつける。ウインナーしかり、焼肉しかり、「ちょっと焼きすぎたかな?」くらいが個人的には一番好き。
もし、私がお酒をガブガブ飲める人だったら確実に鮭をツマミに一杯やっていたはず。
筑前煮はまだレシピを見ながら作るレベルなので特にこだわりはない。一時期肉じゃがや手羽元の煮物にハマったりしつつ今は筑前煮にハマっている感じだ。
煮物だけに焦点を当てると実家でよく食べた祖母の味が思い出されるが、それはまた今度。
料理が楽しいと感じたのは久しぶりだった。
それは料理をすること自体久しぶりだったから、というのが主な理由だと思うけど、夢の中でも仕事に追われていた先月に比べればだいぶ心に余裕が出てきた証拠だと思う。
この類のささやかな楽しみをなるべく見過ごさないようにしたい。